公判手続き|公判期日の手続|証拠調べの実施(その1)一証人尋問|証人の取り調べの方式
2025年11月19日
『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8
(1) 証人は、各別に尋問しなければならない。後に尋問する予定の証人が在延するときは、退延を命じなければならない(規則123条)。これは、後に尋問される証人が先に尋問される証人の証言により不当な影響を受けるのを防ぐ趣旨である。なお、必要があるときは、証人と他の証人または被告人とを対質させることができる(規則 124条)。証人が耳が聞こえないときは書面で問い。ロがきけないときは、書面で答えさせることができる(規則125条)。
(2)法は、証人に対して裁判長または陪席裁判官がまず尋問し、これが終わった後、検察官,被告人または弁護人が尋問するのを原則と規定しているが(注:304条1項・2項)、実務ではこの順形を逆転し(法304条3項、当事者が「交互尋問」の方式で尋問した後、裁判官・裁判員(裁判員法56条)が必要に応じ補充的に尋間する方法が定着している。起訴状一本主義の下で裁判官によるる間を先行させるのは事実上不可能であり、また当事者追行主義の観点からも事者の立証活動たる尋問を先行するのが適切・合理的な運用である。
交互尋問とは、証人尋問を請求した当事者側がまず尋問し(主尋問),次に相手方が尋問し(反対尋間)、その後も必要な範囲で交互に証人を尋問する(再主尋問、再反対尋間)方式をいう。再主尋問までは、権利として当事者に認められるが、再反対尋問以降は、裁判長の許可が必要である(規則199条の2)。この過程を通じて、事実認定者の面前で証人の口頭供述の信用性が吟味され、ひいては正確な事実認定に資するのである。交互尋問が円滑・的確に進行するよう、規則 199条の2から 199条の14まで詳細な準が設けられており、検察官・弁護人にはこれを前提とした尋問技術が、裁判官にはこれに基づく的確な訴訟指揮が、要請される。
(3)①「主尋間」は、立証すべき事項及びこれに関連する事項について行う(規則 199条の3第1項)。その際には、誘導尋問をすることは原則として許されない(規則 199条の3第3項)。「誘導尋問」には、尋問者の期待する応答を暗示する尋問(例,その人は20歳くらいでしたね=肯定問),はい」「いいえ」で答えることのできる尋問(例,その人は20歳くらいでしたか=認否問),争いのある事実またはいまだ供述に現れていない事実を存在するものと前提しまたは仮定してする寿間(例,その20歳くらいの人は、どんな服装でしたか=前提問)等がある。
誘導尋問が原則として許されないのは、主尋問をする側と証人とが敵対的関係にはないため、前記の例のように証人が尋問者の希望・期待に添う迎合的な証言をする危険があるからである。したがって、準備的な事項や争いのない事項については積極的に誘導し、争点に絞った尋問をすることはむしろ有益であり(規則199条の3第3項1号・2号・198条の2),また,証人の記憶が明らかでない場合や証人が主尋問者に対し敵意または反感を示す場合など,誘導尋問によらないと供述が得難く、誘導尋問の弊害が乏しいと考えられる一定の場合には、不相当な誘導とならない限り、誘導尋間は許される(規則199条の3第3現3号~5号)。また、証人が尋問者の子期に反するをした場合には、その「証人の供述の証明力を争うために必要な事項」についても尋問することができる(規則199条の3第2項・199条の3第3項6号)。証人の供述の証明力を手うために必要な事項の尋問とは、証人の観察、記憶または表現の正確性等証言内
谷の信用性に関する事項、及び証人の利害関係、偏見、予断等証人の信用性に開する事項についての尋間をいう。ただし、みだりに証人の名を書する事項に及んではならない(規則199条の6)。
誘導尋問をするについては、書面の期読その他証人の供述に不当な影響を及ほすおそれのある方法を避けるように注意しなければならない(期間19条の3第4項)。裁判長は、誘導尋問を相当でないと認めるときは、これを制限することができる(規則199条の3第5項)。
②「反対尋問」は、主尋問に現れた事項及びこれに関連する事項ならびに証人の供述の証明力を争うために必要な事項について行われ、必要があれば誘導尋問をすることも許される(規則199条の4)。反対尋間の目的は、主尋間において述べられた相手方証人の供述の証明力・借用性を減殺し、可能であれば自己の側に有利な供述を引き出すことにある。しかし、効果的な反対尋間を行うには周到な準備と技能が必要であり、無能故に主尋問の上塗りをし主尋間を補強する壁塗り尋問に堕する例も少なくない。法律家には臨機の目的合理的決断を要する。情勢により反対尋間をしないという判断もあり得よう。
なお、連日的開廷による集中的な審理を実現する趣旨で、2005(平成17)年の規則改正により、反対尋問は、特段の事情のない限り,主尋問終了後直ちに行わなければならない旨の規定が追加されている(規則 199条の4第2項)。主尋問とは別の期日に行われる例のあった従前の不健全な運用を改めるものであ
る。
反対尋問をする者は、反対尋問の機会に自己の主張を支持する新たな事項についても裁判長の許可を得て尋問することができ,この場合、その事項については主尋問とみなされる(規則199条の5)。
③「再主尋問」は、反対尋問に現れた事項及びこれに関連する事項について行うもので、主尋問の例によるが、裁判長の許可を受けたときは、その機会に、自己の主張を支持する新たな事項についても尋開することができる(規則199条の7)。
(4)証人の尋問は、できる限り個別的かつ具体的で簡潔な尋問(一問一答方土)によるべきであり、威嚇的または侮辱的な尋問をすることは許されない。
また、既にした尋問と重複する尋問、意見を求めまたは議論にわたる尋問。証人が直接経験しなかった事実についての尋問も正当な理由がない限りしてはならない(規則199条の13)。
裁判長は、訴訟指揮として、訴訟関係人のする尋間が既にした尋間と重複するとき、または事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、尋問を制限することができる(法295条1項)。なお、2005(平成17)年の規則改正により。訴訟関係人は、立証すべき事項または主尋問もしくは反対尋問に現れた事項に関連する事項について尋問する場合には、尋問自体やその他の方法によって、裁判所にその関連性を明らかにしなければならない旨の規定が追加された(規則 199条14)これは、関連性の不明確な専間が延々と続くような不相当な事態を改善し、事実認定者に尋問の意図が分かりやすく伝達されるようにする趣意である。
また。証人等やその親族の身体・財産に害を加えたり、これらの者を畏怖させ、困惑させる行為がなされるおそれがあって、これらの者の住居、勤務先その他通常所在する場所が特定される事項が明らかにされると証人が十分な供述をすることができないと認めるときは、住居等が特定される事項についての尋問を制限することができる(法 295条2項)[証人等に対する配慮・保護の措置については、5)。
(5) 尋問するに当たっては、書面または物や図面などを利用することもできる。ただし、証人に不当な影響を及ぼす危険があり得るので、証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときに書面または物を提示する場合と、証人の供述を明確にするため必要があるときに図面、写真,模型、装置等を利用する場合には、裁判長の許可が必要である。記憶喚起のためであっても、供述録取書を提示することはできない(規則199条の10・199条の11・199条の12)。
*専間に際しての図面等の利用(規則199条の12)は、供述の明確化・表現伝達の正確性確保のために認められているが、利用されるものには、それ自体独立の証拠とならないものも含まれる。当該事件に関して作成された資料については、証人に不当な影響が及ばないような配慮が必要であり、証人の具体的供述を得て記憶の存在を確認した後、その明確化のために写真等を示す運用が行われている。判例は、被害者の証人尋間において、検察官が証人から被害状況等に関する具体的供述が十分にされた後に、その供述を明確化するため、証拠として採用されていない段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを求めた場合において、写真の内容が既にされた供述と同趣旨のものであるときは、規則199条の12に基づきこれを許可した裁判所の措置に違法はないとしている(最決平成23・9・14刑集65巻6号 949 頁)。
**規則199条の10ないし199条の12に基づいて専間に際し示された図面・書画
等は、規則49条により公判調書に添付することができるが、それによって図面等が直ちに証拠となるわけではない。証言内容と独立の証拠にするには、別途証拠調べ請求、採用決定、証拠調べが必要である。判例は、被告人質問において被告人に示され、公判調書中の被告人供述調書に添付されたが、これとは別に証拠として取り調べられていない電子メールは、その存在及び記載が記載内容の真実性と離れて証拠価値を有するもので,被告人に対してこれを示して質問をした手続に違法はなく,被告人がその同一性や成立の真正を確認したとしても、それが独立の証拠または被告人の供述の一部となるものではないと説示して、この点を明らかにしている(最決平成 25・2・26刑集67巻2号143頁)。もっとも、独立した証拠として採用されていなかったとしても、証人が示された書面等の内容を実質的に引用しながら証言した場合には、引用された限度においてその内容が証言の一部となり、そのような証言全体を事実設定の用に供することはできるであろう。前記判例(最決平成23・9・14)は、証人に示された被害再現写真が独立した証拠として採用されていなかったとしても、証人がその写真の内容を実質的に引用しながら証言した場合について、この旨を説示している。
(6) 以上のとおり、証人尋問は両当事者の主導で進行し、裁判官の尋問は交五尋問が行われた後に補充的になされるのが通例である。しかし、当事者の主導に委ねたままでは審理が不正常・不健全な状態に陥ることもあり得るので、訴訟指揮権を有する裁判長が必要と認めるときは、何時でも、訴訟関係人の証人等に対する尋問を中止させ、自らその事項について尋問することができる(規則 201条1項)。これを裁判長の介入権と称する。もっとも、この介入権限があることをもって、訴訟関係人が法 295条の制限の下で証人等を十分に尋問する権利のあることを否定するものと解釈してはならない(規則 201条2項)。
(2)法は、証人に対して裁判長または陪席裁判官がまず尋問し、これが終わった後、検察官,被告人または弁護人が尋問するのを原則と規定しているが(注:304条1項・2項)、実務ではこの順形を逆転し(法304条3項、当事者が「交互尋問」の方式で尋問した後、裁判官・裁判員(裁判員法56条)が必要に応じ補充的に尋間する方法が定着している。起訴状一本主義の下で裁判官によるる間を先行させるのは事実上不可能であり、また当事者追行主義の観点からも事者の立証活動たる尋問を先行するのが適切・合理的な運用である。
交互尋問とは、証人尋問を請求した当事者側がまず尋問し(主尋問),次に相手方が尋問し(反対尋間)、その後も必要な範囲で交互に証人を尋問する(再主尋問、再反対尋間)方式をいう。再主尋問までは、権利として当事者に認められるが、再反対尋問以降は、裁判長の許可が必要である(規則199条の2)。この過程を通じて、事実認定者の面前で証人の口頭供述の信用性が吟味され、ひいては正確な事実認定に資するのである。交互尋問が円滑・的確に進行するよう、規則 199条の2から 199条の14まで詳細な準が設けられており、検察官・弁護人にはこれを前提とした尋問技術が、裁判官にはこれに基づく的確な訴訟指揮が、要請される。
(3)①「主尋間」は、立証すべき事項及びこれに関連する事項について行う(規則 199条の3第1項)。その際には、誘導尋問をすることは原則として許されない(規則 199条の3第3項)。「誘導尋問」には、尋問者の期待する応答を暗示する尋問(例,その人は20歳くらいでしたね=肯定問),はい」「いいえ」で答えることのできる尋問(例,その人は20歳くらいでしたか=認否問),争いのある事実またはいまだ供述に現れていない事実を存在するものと前提しまたは仮定してする寿間(例,その20歳くらいの人は、どんな服装でしたか=前提問)等がある。
誘導尋問が原則として許されないのは、主尋問をする側と証人とが敵対的関係にはないため、前記の例のように証人が尋問者の希望・期待に添う迎合的な証言をする危険があるからである。したがって、準備的な事項や争いのない事項については積極的に誘導し、争点に絞った尋問をすることはむしろ有益であり(規則199条の3第3項1号・2号・198条の2),また,証人の記憶が明らかでない場合や証人が主尋問者に対し敵意または反感を示す場合など,誘導尋問によらないと供述が得難く、誘導尋問の弊害が乏しいと考えられる一定の場合には、不相当な誘導とならない限り、誘導尋間は許される(規則199条の3第3現3号~5号)。また、証人が尋問者の子期に反するをした場合には、その「証人の供述の証明力を争うために必要な事項」についても尋問することができる(規則199条の3第2項・199条の3第3項6号)。証人の供述の証明力を手うために必要な事項の尋問とは、証人の観察、記憶または表現の正確性等証言内
谷の信用性に関する事項、及び証人の利害関係、偏見、予断等証人の信用性に開する事項についての尋間をいう。ただし、みだりに証人の名を書する事項に及んではならない(規則199条の6)。
誘導尋問をするについては、書面の期読その他証人の供述に不当な影響を及ほすおそれのある方法を避けるように注意しなければならない(期間19条の3第4項)。裁判長は、誘導尋問を相当でないと認めるときは、これを制限することができる(規則199条の3第5項)。
②「反対尋問」は、主尋問に現れた事項及びこれに関連する事項ならびに証人の供述の証明力を争うために必要な事項について行われ、必要があれば誘導尋問をすることも許される(規則199条の4)。反対尋間の目的は、主尋間において述べられた相手方証人の供述の証明力・借用性を減殺し、可能であれば自己の側に有利な供述を引き出すことにある。しかし、効果的な反対尋間を行うには周到な準備と技能が必要であり、無能故に主尋問の上塗りをし主尋間を補強する壁塗り尋問に堕する例も少なくない。法律家には臨機の目的合理的決断を要する。情勢により反対尋間をしないという判断もあり得よう。
なお、連日的開廷による集中的な審理を実現する趣旨で、2005(平成17)年の規則改正により、反対尋問は、特段の事情のない限り,主尋問終了後直ちに行わなければならない旨の規定が追加されている(規則 199条の4第2項)。主尋問とは別の期日に行われる例のあった従前の不健全な運用を改めるものであ
る。
反対尋問をする者は、反対尋問の機会に自己の主張を支持する新たな事項についても裁判長の許可を得て尋問することができ,この場合、その事項については主尋問とみなされる(規則199条の5)。
③「再主尋問」は、反対尋問に現れた事項及びこれに関連する事項について行うもので、主尋問の例によるが、裁判長の許可を受けたときは、その機会に、自己の主張を支持する新たな事項についても尋開することができる(規則199条の7)。
(4)証人の尋問は、できる限り個別的かつ具体的で簡潔な尋問(一問一答方土)によるべきであり、威嚇的または侮辱的な尋問をすることは許されない。
また、既にした尋問と重複する尋問、意見を求めまたは議論にわたる尋問。証人が直接経験しなかった事実についての尋問も正当な理由がない限りしてはならない(規則199条の13)。
裁判長は、訴訟指揮として、訴訟関係人のする尋間が既にした尋間と重複するとき、または事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、尋問を制限することができる(法295条1項)。なお、2005(平成17)年の規則改正により。訴訟関係人は、立証すべき事項または主尋問もしくは反対尋問に現れた事項に関連する事項について尋問する場合には、尋問自体やその他の方法によって、裁判所にその関連性を明らかにしなければならない旨の規定が追加された(規則 199条14)これは、関連性の不明確な専間が延々と続くような不相当な事態を改善し、事実認定者に尋問の意図が分かりやすく伝達されるようにする趣意である。
また。証人等やその親族の身体・財産に害を加えたり、これらの者を畏怖させ、困惑させる行為がなされるおそれがあって、これらの者の住居、勤務先その他通常所在する場所が特定される事項が明らかにされると証人が十分な供述をすることができないと認めるときは、住居等が特定される事項についての尋問を制限することができる(法 295条2項)[証人等に対する配慮・保護の措置については、5)。
(5) 尋問するに当たっては、書面または物や図面などを利用することもできる。ただし、証人に不当な影響を及ぼす危険があり得るので、証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときに書面または物を提示する場合と、証人の供述を明確にするため必要があるときに図面、写真,模型、装置等を利用する場合には、裁判長の許可が必要である。記憶喚起のためであっても、供述録取書を提示することはできない(規則199条の10・199条の11・199条の12)。
*専間に際しての図面等の利用(規則199条の12)は、供述の明確化・表現伝達の正確性確保のために認められているが、利用されるものには、それ自体独立の証拠とならないものも含まれる。当該事件に関して作成された資料については、証人に不当な影響が及ばないような配慮が必要であり、証人の具体的供述を得て記憶の存在を確認した後、その明確化のために写真等を示す運用が行われている。判例は、被害者の証人尋間において、検察官が証人から被害状況等に関する具体的供述が十分にされた後に、その供述を明確化するため、証拠として採用されていない段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを求めた場合において、写真の内容が既にされた供述と同趣旨のものであるときは、規則199条の12に基づきこれを許可した裁判所の措置に違法はないとしている(最決平成23・9・14刑集65巻6号 949 頁)。
**規則199条の10ないし199条の12に基づいて専間に際し示された図面・書画
等は、規則49条により公判調書に添付することができるが、それによって図面等が直ちに証拠となるわけではない。証言内容と独立の証拠にするには、別途証拠調べ請求、採用決定、証拠調べが必要である。判例は、被告人質問において被告人に示され、公判調書中の被告人供述調書に添付されたが、これとは別に証拠として取り調べられていない電子メールは、その存在及び記載が記載内容の真実性と離れて証拠価値を有するもので,被告人に対してこれを示して質問をした手続に違法はなく,被告人がその同一性や成立の真正を確認したとしても、それが独立の証拠または被告人の供述の一部となるものではないと説示して、この点を明らかにしている(最決平成 25・2・26刑集67巻2号143頁)。もっとも、独立した証拠として採用されていなかったとしても、証人が示された書面等の内容を実質的に引用しながら証言した場合には、引用された限度においてその内容が証言の一部となり、そのような証言全体を事実設定の用に供することはできるであろう。前記判例(最決平成23・9・14)は、証人に示された被害再現写真が独立した証拠として採用されていなかったとしても、証人がその写真の内容を実質的に引用しながら証言した場合について、この旨を説示している。
(6) 以上のとおり、証人尋問は両当事者の主導で進行し、裁判官の尋問は交五尋問が行われた後に補充的になされるのが通例である。しかし、当事者の主導に委ねたままでは審理が不正常・不健全な状態に陥ることもあり得るので、訴訟指揮権を有する裁判長が必要と認めるときは、何時でも、訴訟関係人の証人等に対する尋問を中止させ、自らその事項について尋問することができる(規則 201条1項)。これを裁判長の介入権と称する。もっとも、この介入権限があることをもって、訴訟関係人が法 295条の制限の下で証人等を十分に尋問する権利のあることを否定するものと解釈してはならない(規則 201条2項)。