あの風俗嬢は今どこに⁉︎
2025年11月19日
図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美
30代半ばの男性が、血相を変えて事務所へ飛び込んできた。彼は、「親しい女性が突然いなくなってしまった。何か大変な事件に巻き込まれている可能性があるので、慎重に探してほしい」と言った。最初は、これはたしかに大変な事件かも……と思ったのだが、状況を詳しく聞いていくうちに"ああ、またか"という方向に考えが変わっていった。
彼の話を要約するとこうなる。「彼女はキャバクラのホステス。お店でナンバーワンだったのだが、ある日突然店から消えてしまった。店長もどこにいったかわからず心配しているし、困っている。しかも、住んでいた寮にある荷物はそのまま。
親しく付き合っていた(一度だけ寝たことがあるらしい)私に黙ってどこかに行くはずがない”というのだ。
このようなケースでよくあるのが、彼女にお金を貸していること。しかし、このような場合、依頼者はなかなかそのことを言わない。今回も、依頼者に「もしかして、お金を貸しているんじゃないですか?」と聞いたところ、初めて「たしかに300万円(=!)ほど貸しているが.....」と言う始末。しかし、彼は「そんなことは問題じゃない。借金を踏み倒そうとするつもりなら、寮にある荷物だってきれいに持っていくだろう!!」と、彼女を倍じきっている。しかし、こういったパターン、意外と多いのだ。
調査は、まず対象者が働いていた店に潜入することから開始した。キャバクラのような風俗店は、女の子の入れ替わりが澈しい業界のため、潜入しやすいのだ。しかも、潜入調査は私が最も得意としているジャンル。
女の子ばかりのこのような職場では、ナンバーワンの子は意外と他の女の子の間で評判が悪いというのがポイント。つまり、ちょっとでも水を手向けると、次から次へと話が出てくるのだ。彼女もご多分に帰れず店に最されている”と悪評ふんぷんであった。なかでも「やっぱり”と思わされたのは、「だれかれかまわず、お客の前では不幸を装って同情を買っていたよ。それも、他人にはわからない親戚のことでね」「お金を引っ張れる客をようやく見つけたって喜んでいたよ。その客の誕生日に寝てやって、引っ張るつもりらしいよ」というふたつの情報。依頼者には悪いが、やはり彼は騙されていたのだ。
数日の潜入調査によって、彼女はこの店の系列のヘルスで働いていることが判明した。しかも、そのヘルスを紹介したのは、「どこへ行ってしまったかわからない」と言っていた店長であった。実は、このように、なナンバーワンの子が辞めたい、店を変わりたいと言った場合は、店長が系列店を紹介することが少なくないのだ。
後日、依頼者に彼女の居場所を報告。むろん、そのときに彼女の評判やウソのことなどは一切教えなかったが、それでも依頼者は彼女が系列店に移っていたことから店長が嘘をついていたこと知り、店に乗り込んで店長を殴ってしまった。彼女にも暴力を振るうのでは......と心配していたら、数日後、依頼者からご機嫌な声で電話が入った。
「彼女を指名して再開したら、やっぱり彼女が僕を騙していなかったことがわかりました。借金を作って蒸発してしまった父親の借金を返すためにヘルスに移ったらしいんだけど、僕にはそのことが恥ずかしくて言えなかったらしいんだ」とのこと。
こういう調査の後は、依頼者が女性を監禁したり暴行してしまい、皆察のお世話になるパターンが少なくないのだが、今回はある意味でとてもハッピーな結末であった。
やはり、"肩じるものは救われる"のかも知れない⁉︎
彼の話を要約するとこうなる。「彼女はキャバクラのホステス。お店でナンバーワンだったのだが、ある日突然店から消えてしまった。店長もどこにいったかわからず心配しているし、困っている。しかも、住んでいた寮にある荷物はそのまま。
親しく付き合っていた(一度だけ寝たことがあるらしい)私に黙ってどこかに行くはずがない”というのだ。
このようなケースでよくあるのが、彼女にお金を貸していること。しかし、このような場合、依頼者はなかなかそのことを言わない。今回も、依頼者に「もしかして、お金を貸しているんじゃないですか?」と聞いたところ、初めて「たしかに300万円(=!)ほど貸しているが.....」と言う始末。しかし、彼は「そんなことは問題じゃない。借金を踏み倒そうとするつもりなら、寮にある荷物だってきれいに持っていくだろう!!」と、彼女を倍じきっている。しかし、こういったパターン、意外と多いのだ。
調査は、まず対象者が働いていた店に潜入することから開始した。キャバクラのような風俗店は、女の子の入れ替わりが澈しい業界のため、潜入しやすいのだ。しかも、潜入調査は私が最も得意としているジャンル。
女の子ばかりのこのような職場では、ナンバーワンの子は意外と他の女の子の間で評判が悪いというのがポイント。つまり、ちょっとでも水を手向けると、次から次へと話が出てくるのだ。彼女もご多分に帰れず店に最されている”と悪評ふんぷんであった。なかでも「やっぱり”と思わされたのは、「だれかれかまわず、お客の前では不幸を装って同情を買っていたよ。それも、他人にはわからない親戚のことでね」「お金を引っ張れる客をようやく見つけたって喜んでいたよ。その客の誕生日に寝てやって、引っ張るつもりらしいよ」というふたつの情報。依頼者には悪いが、やはり彼は騙されていたのだ。
数日の潜入調査によって、彼女はこの店の系列のヘルスで働いていることが判明した。しかも、そのヘルスを紹介したのは、「どこへ行ってしまったかわからない」と言っていた店長であった。実は、このように、なナンバーワンの子が辞めたい、店を変わりたいと言った場合は、店長が系列店を紹介することが少なくないのだ。
後日、依頼者に彼女の居場所を報告。むろん、そのときに彼女の評判やウソのことなどは一切教えなかったが、それでも依頼者は彼女が系列店に移っていたことから店長が嘘をついていたこと知り、店に乗り込んで店長を殴ってしまった。彼女にも暴力を振るうのでは......と心配していたら、数日後、依頼者からご機嫌な声で電話が入った。
「彼女を指名して再開したら、やっぱり彼女が僕を騙していなかったことがわかりました。借金を作って蒸発してしまった父親の借金を返すためにヘルスに移ったらしいんだけど、僕にはそのことが恥ずかしくて言えなかったらしいんだ」とのこと。
こういう調査の後は、依頼者が女性を監禁したり暴行してしまい、皆察のお世話になるパターンが少なくないのだが、今回はある意味でとてもハッピーな結末であった。
やはり、"肩じるものは救われる"のかも知れない⁉︎